【People02】小竹めぐみさん NPO法人オトナノセナカ代表

Profile

小竹 めぐみ(こたけ めぐみ)

 

NPO法人オトナノセナカ/合同会社こどもみらい探求社、共に代表。保育士をする傍ら家族の多様性を学ぶため世界の家々を巡る女1人旅を重ねる。特に砂漠とアマゾン川の暮らしに活動のヒントを得、2006年講演開始し【違いこそがギフトである】と発信。約6年現場で働いた後フリーランス保育士として独立。NOではなくYESの発信から様々な人と共に「こどもにとって本当に良い環境」を創る為、2013年NPOと合同会社を設立。

人的環境がこどもに及ぼす影響力の絶大さに気付き、「こころ」を扱う人材共育に特に力を注ぐ。こどもに関わる大人が、違い(凸凹)を受け入れ自分らしく生きる為の、研修・開発・家族支援行う。

 

対話の場×家族支援

NPO法人 オトナノセナカ

保育士×社会デザイン

合同会社 こどもみらい探求社

私たちは「保育」のソフトをもっている

 

 今年の5月、豊島区は消滅可能都市であると発表されました。そう判断された大きな理由のひとつが20〜30代の子育て世代が豊島区に定住していないという事実です。しかし、悪いことばかりではありません。

この問題が明るみになったことにより、少しずつ変わっていこうとする動きもこの豊島区で起こり始めています。そのうちのキーマンの一人となるであろう人物が小竹めぐみさんです。彼女は園に属さない保育士。この全く新しい形の働き方で教育という現場の可能性を切り開いています。

 

保育の可能性を切り開く「こどもみらい探求社」

 

小竹さんは現在、2つの法人を運営しています。そのうちのひとつが「こどもみらい探求社」です。

 

ここでは、一般的には“園に属する”ということが前提としてある保育士が、その枠から飛び出て社会に出た場合、どういうことが起こるのか?という実験をしています。

 

と語る小竹さん。
小竹さんが、保育士としてみてきた子どもは300人以上。その親御さんまでも含めるとその倍の数になります。その時に聞いた生の声をもっと活かしていきたいと思ったことがきっかけではじまりました。

こどもみらい探求社が自主事業として行っているのが、巣鴨のRYOZAN PARKの一階で行っている「おやこ保育園」です。ここは0,1,2歳の子どもと親御さんが一緒になって通いながら、親子のよりよいコミュニケーションを育む全く新しい子育てコミュニティ。ワンクール9回で構成されたその中には、代表の小竹さんと小笠原さんが今まで蓄積してきた保育士としての知識と想いがぎゅっとつめ込まれています。おやこ保育園では「子どもが主役の時間」と「大人が主役の時間」の2つをベースに構成されています。

 

子どもが主役の時間では、親御さんに観察シートを渡します。大人は手を出さない、口出しもしない、ということを前提で子どもと楽しく遊んでもらいます。その後、観察して気が付いたことを踏まえながらまた一緒に遊んでもらい変化を感じてもらいます。大人が主役の時間では、例えば、良い夫婦って何だろう、良い躾とはどういうことなんだろう?という答えのない質問について自分なりの答えを導く練習をしていただく時間にしています。

 

こどもみらい探求社では、この自主事業の他に「こども✕◯◯」という形を活かしたコラボ企画も多くてがけています。例えば、建築家の方と「家族にとっていい家」を提案する、といったように。この掛け算の組み合わせは無限大。大きな可能性が詰まっているのが、こどもみらい探求社です。

 

対話を通して自分らしさを知る「オトナノセナカ」

 

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小竹さんが立ちあげたもうひとつのNPOが「オトナノセナカ」です。

 

オトナノセナカはパパ、ママと保育士たちとでやっているNPOです。
ここでは、対話を通して多様性と自分らしさに出会う場所です。

 

とお話してくれた通り、オトナノセナカでは子どもを育てている親御さんや、これからなろうとするプレママ・プレパパを対象にした対話を通した企画を多く手がけています。
その一つが「素敵な幼児共育コレクション」。このイベントは選りすぐりの幼児教育をぎゅっと集めて、さまざまな園の先生たちに実際にやっていることをお話してもらい、今日からの子育ての参考にしてもらうというもの。現在は関東と関西で開催されています。他にも、パパを対象にした「パパノセナカ」や夫婦を対象にした「とつきとおかの習いごと(仮)」といった対話の場を通して、たくさんの気づきを提供しています。

子育てをすること、親になるということは、楽しいことばかりではありません。そこにある不安や悩みを解決するヒントを自分自身で解決する力を育む手伝いをすることが「オトナノセナカ」の活動なのです。

 

ゆっくりと紡いでいくような仕掛けを作っていきたい

 

実際に、イベントに参加した方からはイベントに参加して育休をとることを決めたという人が現れるなど嬉しい声も聞こえているそうです。

 

オトナノセナカは、「オトナノセナカから子どもたちの未来を明るく」というコンセプトの下に活動をしています。私たちは保育につながる環境づくりというところにすごく可能性を感じています。私たちはソフトをもっているのでどこでやらせてもらってもコラボレーションの場があります。今、豊島区に住んでいますが、今後はイベントとは違う形でこの場所でゆっくりと紡いでいくような、根付いていくような仕掛けをしていけたらいいなと思っています。

 

今回のとしま会議はきっとそのスタート地点。小竹さんのような新しい教育の場を与えてくれる人がさらにこの豊島区で必要になっていくことでしょう。

 

(text:坪根育美)